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BSE問題のまとめ
週一回のエントリーでトロトロとブログを運営していると、世の中はあっという間に先に行ってしまっていて、書きたいことがなかなか書けないままになる。次々にいろいろなことが今の世の中は起こるのだ。
大雪と温暖化との因果関係を書くつもりで調べていたのだが、結局暖かくなってきてしまい時機を逸した。それはそれでもちろん良いことなのだが。

とりあえず、今日の国会での堀江から武部への裏金の話。与謝野馨金融担当相の指摘が一番納得がいった。「ないことを立証することは大変難しい、あるということを是非立証していただきたい」というようなことを言って民主党に釘を刺した。尤もである。この件は重要なことなので、是非証拠を突きつけていただきたい。だいたいそんなやばいお金を銀行振り込みするわけがない。振込みの有る無しを「ない証拠」として出してきた、武部サイドは逆に絶対に怪しいわけで、そんなお金は証拠が残らないように現金で直接渡すだろう、部下から部下に。民主党の永田議員には政治生命をかけて是非がんばっていただきたい。絶対に渡しているのである、間違いなくその3千万円は。でもなんだか民主党の言い方は冴えないね、このところずっと。

さて、こっちはこっちで、またトロトロと牛肉問題をやる。やりかけた以上終らないと次へ進めないのだ。

この問題、前回前々回にいろいろとデータを使い、書いたが、一部ニュアンスの違う書き方になっていたようだ。特に前々回、BSEは牛から牛にはうつりにくい、というふうに書いてしまったが、実際はもちろん大変蔓延しやすい。データは間違っていなかったが、データの読み方を間違っていたわけだ。BSEは100頭に3頭しかうつらない、と書いていたが、100頭に3頭もうつるのである。この書き方がこの病気に関しては適切だろう。イギリスでいったい何頭の牛がいるのかそのデータを引き出せなかったが、アメリカは1億頭、というデータがあった。人口はアメリカ3億人に対して、イギリス6千万人である。同じ牛肉大好き民族だから、イギリスの牛は単純に人口比で2000万頭ぐらいと予測しておく。イギリスで結局約100万頭の牛がBSEに感染しているから、このデータだと100頭に5頭である。100頭に3頭とそう大差はないが、要するにこれだけの数がうつるのである。これは牛からすれば大変な脅威だ。だがこれが人間にうつる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病となるとたったの150人余りである。イギリス全土でBSEが蔓延している間に約70万頭のBSE感染牛が食用に供されたということだ。それで150人。これはBSE牛約4500頭につき変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者1人、ということになる。もちろんこれはBSE牛が一頭しか出なかったからといって、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病がゼロだということにはならない。BSE牛が一頭につき4500分の1で1人発症する確率である。だが大変低い確率だ。それももちろんそのBSE牛を処分せずに危険部位がそのまま流通した場合である。
要するに結論を言うと、牛から牛へは大変蔓延しやすい病気だが、牛から人へは種の壁がかなり高く、まずうつらない、ということだ。これは断言していい。イギリス人がその民族を犠牲にして立証してくれた貴重なデータである。こんなデータは今後絶対に取れない。
それと今まで実験や実際の例で、BSEの感染が認められた最年少の牛は生後21ヶ月である。だがこれはたった一頭で極めてまれな例だ。30ヶ月以下ではまずほとんど認められない。それがどこの国であれ、生後20ヶ月以下で危険部位を取り除いた場合の人にうつる確率はその分母がおそらく天文学的な数字になるに違いない。何度も言うがリスクゼロの話はこの世にはない。今あなたがこのブログを読んでいるその部屋に飛行機が墜ちてくる確率はやはりゼロではない。分母が天文学的数字の確率なだけで、それはゼロではない。でもおそらく飛行機が墜ちてくる確率のほうがまだ高いのじゃないかな。

問題は牛から牛への感染である。牧場主にとっては大変な脅威だ。
イギリスでは、これまで生後30ヵ月以上の牛は 全て、つまり全部で500万頭を処分した、というデータがあった。つまりBSEにかかわらず焼却処分したのである。牛にとってはたまらないことだが、人間にとっては必要なことだったのだ。この件で動物愛護団体から抗議はなかったのだろうか。実際ホロコーストも真っ青なのだが。
しかしそのせいもあって世界中の牛がクリーンアップされたことは間違いない。牛骨粉入りの飼料も厳しく取り締まりされていて、牛が牛を食うという共食いはほとんどなくなりつつあるはずだ。もちろん規制をかいくぐってそういった飼料を流通させている輩はいるだろう、でもその飼料が汚染されている確率は低いし、もし汚染されていても飼料の取締りが厳しければ、それでBSEが蔓延するということはほとんどありえない。ひとえに飼料を監視することにかかってはいるが。

そしてBSEはやがてこの世からなくなるはずだ。だがこの場合重要なのはBSEがどこからやってきたか、である。この究明は想像以上に重要だろう。なぜなら一旦BSEがなくなってもまたその由来によってはまた発症する可能性があるからだ。

BSEの由来は今も羊のスクレイピーから感染したとする説が一応有力ではある。それと僕が前回のエントリーで立てた仮説である、牛自身の孤発性BSEが原因したのではないかという説も本当にある。ちょっと驚いた。だがどれも決め手にはかける。羊から牛への感染実験は何度も繰り返されているらしいが、納得のいく結果が一度も得られていないとのことだ。つまりスクレイピーが牛の体内に入ってちゃんとBSEにはならないのである、一度も。近い症状は出るらしいが。あと僕が言った、牛自身の孤発性BSEも、それがなぜ20世紀後半のイギリスだけに限られたのか、到底説明できそうにない。もしそうならあらゆる地域あらゆる時代に発生していたはずだからだ。
ここに来て最も有力な説が浮上してきた。ただしここから先は完全にオカルトである。この病気はただでさえオカルト的だが、これはもう正真正銘のオカルトである。だから心臓の弱い人はここからは読まないほうがいい。

それはBSEの孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病起源説である。つまり人の孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病が牛にうつってBSEになったわけである。ありえない、と誰もが思う。概要はこうだ(参照

1960年代から1970年代にかけて、イギリスでは様々な哺乳類由来の骨や死体の様々な部分を動物の餌の原型として輸入していて、ほとんどはインドあたりからだった。インドではガンジス川などに人の死体を捨てる風習があって、その中に孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の患者がいた可能性は否定できないわけで、というかあっても不思議ではないわけである。イギリスが輸入する動物の死体や骨の中に人の死体が混じっていたことはまず間違いないらしい。だからイギリスでは人の死体の混じった飼料を牛に食べさせていたわけである。それが汚染されていた可能性は否定できない。それとインドあたりからこういった輸入をやっていたのはイギリスだけなのである。だからイギリスにこの時期BSEが突如発生したことの今や最も信頼できる説らしいのだ。人から牛にうつったのだったら、当然牛から人にうつるわけである。納得である。

TSUTAYAへ行って、「一番怖いホラー映画はどれ?」と店員に聞いて、借りてきて見るより、個人的にはこの話のほうが怖いと思う。



<追記>
牛から人へは感染しにくいと言っといて、何故そう簡単に人から牛へ感染するのか、というクレームが来そうだ。BSE牛4500頭につき変異型クロイツフェルト・ヤコブ病1人なら、その逆に、孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病患者の死体4500体につきBSE牛1頭だと仮定できなくはない。これは確かになかなかありえない話だ。だがひょっとしてもし1頭でも種の壁を乗り越えてBSEに感染したら、そこから共食いが繰り返され瞬く間に蔓延するだろう。そのひょっとしての1頭が有った場合のことである。人間は共食いをしない。変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が1人発症してもそれが蔓延することは絶対にありえない。
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