僕が歌集を読む場所
自宅の自室で一人っきりになって、さて歌集を読もうと思っても、読むには読むのだが、なんだか楽しくなかったりする。ものの30分もすればだるくなって、音楽を聴いたり、ネットを覗いたりするのだ。これは何故だろう。僕は他人の短歌を読むのが本当は好きではないのだろうか。

たとえば梅田のジュンク堂で買ったばかりの歌集を携ええて、地下の広々とした明るい喫茶店に持ち込む。軽くジャズが流れるなか、珈琲を啜りながらの至福のひと時、一時間があっという間だ。周りは若い人でぎっしりでざわざわとしているし、隣が熱いアベックだったりするが、全然気にならない。不思議と短歌に集中できるのである。

たとえばJR大阪環状線のなか、文庫版の歌集を懐に忍ばせて乗り込む。梅田までの約20分ほど、半世紀前の短歌がなぜか大阪の街に似合う。窓の風景を時々見ながら、これも短歌に集中できるのだ。環状線をこのまま一回りして来ようか、とも思うが、待ち合わせがあるので仕方なく梅田で降りる。一度、環状線を一周りか二周りぐらい、時間に追われることなく、日がなのんびりと歌集を読み呆けていたいものだ。

まだまだ読みたい歌集はそれこそ山のようにある。一度読み方を意識して考えて対策を立てないと、と真剣に思う。
今日もあと寝るまで2時間ほど自分の時間だが、たぶん今日はもう読まないだろう。きっとバッハかバルトーク、かyou tubeだろうな。
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エヴァンゲリオン第弐拾六話
中断していたエヴァの最後の2話をやっと見た。
一般聴衆を無視した庵野秀明のやり方に驚いたし、わけがわからないところも多かった。これから劇場版も見ないと納得がいかないが、第弐拾六話(最終話)での主人公シンジの葛藤には考えさせられた。

碇シンジ:僕は僕が嫌いだ。でも僕は僕でいたい。

誰だって自分は嫌いなのだ。でも自分は自分で在りたい、と痛切に願う。そのことに思い至らされた。そう願う限り、人は自ら命を絶つことはおそらくないだろう。たとえ自分をどんなに嫌いでも。
American Idiot
アメリカのメロディック・パンク・バンド「グリーン・デイ」に「American Idiot」という痛快な曲がある。直訳すれば「バカアメリカ人」。2004年に発表されたこの曲は、イラク戦争を起こしたブッシュ大統領、それを許したアメリカへの痛烈な批判が込められており、パンク精神に満ちた楽曲だ。

(ビデオ)

曲調は誰かのエピゴーネンかあるいは様々なエピゴーネンの集合体なのか、なんか聴いたことあるなぁ、という感じだが、あらゆる様式が出尽くしたこの現代において、エピゴーネンの集合体つまりエピゴーネン・コンプレックスこそが新しい様式を担うのかもしれない、なんてことも言ってみつつ、なかなか気持ちの良い曲には違いない。

歌詞は対訳があったので参考にした。(参照)

Don't wanna be an American idiot.     バカアメリカ人にはなりたくない
Don't want a nation under the new mania.  新しい狂気に支配された国なんていらない
And can you hear the sound of hysteria?  あのヒステリックな騒ぎが聞こえるか?
The subliminal mindfuck America.      アメリカを犯したあの潜在意識

(*1)
Welcome to a new kind of tension.    さあ新しい緊迫へようこそ
All across the alienation.         見渡す限りが孤立した状態で
Everything isn't meant to be okay.     OKなんて言えるような所は見当たらない
Television dreams of tomorrow.       テレビは明日を夢見てるけど
We're not the ones who're meant to follow.  そんなものに従ってどうする
For that's enough to argue.         それだけで、すでに疑わしいじやないか
(*1)

Well maybe I'm the faggot America.    ひょっとしたら俺が女々しいアメリカ人なのかも
I'm not a part of a redneck agenda.    (注)レッドネックと話は合わないし
Now everybody do the propaganda. どいつもこいつも「プロパガンダ!!」と・・・
And sing along in the age of paranoia. 猜疑心に支配された時代と一緒に歌ってる

(*1)をくりかえし

Don't wanna be an American idiot.     バカアメリカ人にはなりたくない
One nation controlled by the media.    メディアにコントロールされてる国なんて
Information age of hysteria.        情報化時代のヒステリーが
It's calling out to idiot America.      バカなアメリカで大声を上げる

(*1)をくりかえし

(注)レッドネック:アメリカ人が保守的で無学な白人を軽蔑する時に使う言葉。



世界中からアメリカが叩かれまくってたときに、アメリカの内側からもこうまで気持ちよく叩いてた奴がいたとは、恐れ入った。ビデオで特に後半、なぜか緑色の星条旗の横縞(このビデオでは国旗を垂らしてあるので縦縞だが)が脱色していってステージは緑色のインクで洪水になり、ついには星条旗は星だけになる。よく上映禁止にならないな、と思うほどの過激さである。しかもこの曲を含む同名のアルバム『American Idiot』は翌年のグラミー賞の「最優秀ロック・アルバム」を受賞している。日本で言えばレコード大賞の何かの部門だろうか。日本と比較するのはおかしいかもしれないが、まず日本では日章旗が脱色する映像自体が受け入れられないだろう。もっとも日章旗の場合はあの赤丸を脱色すれば全くの白地になるのでちょっとやり過ぎという面があり、星条旗の脱色とはまた意味が違うのだが。星条旗はまだ脱色というパフォーマンスが許されるデザインをしているから出来たという事情もあるにはある。それに国家の歴史がアメリカの場合は浅い、というのもあるが、しかし、この曲のグラミー賞受賞の事実から、アメリカという国の奥深さを思い知らされる。このことで逆にアメリカという国が不思議と信頼できる国のような気がしてくる。まぁなんでもありの国なんだろうけど、ある意味うらやましくもある。
比べて日本は卒業式の国家斉唱の際、起立を拒んだだけで教師が免職になるかもしれない、という息苦しさである。また日本のロックバンドがこういった社会詠をやったのを聞いたことがないし、あったとしてもそしてそれがどんなにヒットしたとしてもレコード大賞などの賞を受けることは絶対にないだろう。もしそうなっても政府からクレームが出るに違いない。少なくとも現東京都知事が絶対にだまっちゃいない。
また「レッドネック」という言葉があるのをはじめて知った。この言葉はどこの国にもいるあの無知蒙昧なナショナリストと同義だ。日本にはそんな言葉は見つからない。そりゃ、この国の首相と都知事が「レッドネック」なんだから仕方ないんだけどね、

とにかく健全な社会詠に拍手である。そしてこういった社会詠をゆったりと受け入れるアメリカという国にも拍手を送りたい。