杉山文野「ダブルハッピネス」

とにかく元気の出る本だ。
女子フェンシングの日本代表にまでなったという、FtM(性同一性障害)の人のカミングアウト自伝。基本、体育会系のノリのせいか、とにかく明るい。

涙あり笑いあり、と言っても、涙:笑い=2:8ぐらいで、ほとんど爆笑しながら読んでしまった。文章が上手い。

そんな元気いっぱいの人でも、家族や友人の理解がすごくある人でも、しょっちゅう死にたい、と思うほど、この性同一性障害は深刻なことがある、ということを思い知らされる。

結局、性同一性障害を通じて、人間の幸せとは何なのか、とか、もっと普遍的なことを考えさせられる、良質の書だ。久しぶりにいい本を読んだなぁ、と気分が良くなってくる。

がんばれ、フミノ!、とつい声をかけたくなるが、がんばらなきゃいけないのは自分の方だと、この本を読めば誰もが前向きに思うだろう。

amazon杉山文野「ダブルハッピネス」

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映画「息もできない」
韓国映画を見たのは「八月のクリスマス」以来二度目だと思う。
両方とも風景がとても不思議で、一昔前の日本の風景を想わせる。「八月のクリスマス」は街中の、「息もできない」は都市周辺の打ち捨てられたような風景だ。いや、今でも大阪ならこんな殺伐とした風景はありそうかな。見てると妙に懐かしくなる。

ただ延々と暴力シーンばかり見せられる。たぶん半分以上はだれかがだれかを殴っている。暴力だけをよりどころとし借金取り立てを生業とする破滅的なチンピラ、サンフン。サンフンに殴られても対等にふてぶてしく近づこうとする女子高生ヨニ。二人の共通点は子供時代の家庭内暴力だ。その地獄のようなお互いの事情を全く知らずに心を通わせ始める。双方とも言葉を知らないので暴力的な言葉しか使わず、お互いを「このチンピラ」「このクソアマ」としか呼ばないのだが、暴力シーンの合間にある二人の会話には心がなごむ。

純愛よりも切ない二人の魂の求めあい、ラブストーリーのようでラブストーリーではないラブストーリー。

最後は悲劇だが、おそらく最後まで見終わって、人を殴ろうを思う人は絶対にいないと思う。もし思ってても殴るのをやめるだろう。暴力シーンをふんだんに描きながら、暴力抑止になっているのはすごいことだと思った。

製作・監督・脚本・編集・主演、5役をこなしたという、ヤン・イクチュン。ヨニ役のキム・コッピ。この二人が非常に印象的だったけど、他の役者も子役に至るまで負けないぐらい印象深かった。韓国映画の奥は深い。何しろ映像がいい。殺伐とした風景になぜか不思議とほっとさせられる。久しぶりに本当にいい映画を見た、という感慨に浸れた。

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GyaO!映画「息もできない」
橋下市長、大阪市特区の地方税ゼロ検討
■橋下市長、大阪市特区の地方税ゼロ検討 (読売新聞 - 01月12日)

これは大変いいことだと思う。大阪や関西がどんどん活性化するわけで。

成功した韓国・仁川経済自由区域の真似なんだろうけど。

この人は良いことも悪いこともするので、なんとか良いことだけをふるいにかけれないかな、とか思う。でも合わせ呑むしかないんだろうな。