一億総ナショナリスト
危機の20年:北田暁大が聞く 第12回 ゲスト・萱野稔人さん 論壇、言論と政治

萱野稔人: この20年ほどの論壇は、理論への敬意が低くなったと感じます。代わりに、物事を善悪や道徳で判断する傾向が強まった。安倍晋三政権の高支持率もトランプ現象も、「許せない」だけ。どんな理不尽な動きにも、背景となる「合理性」があるのに、それを見ない。そもそも、国家は良しあしではなく、現に存在するものです。「9条を守れ」だって、「我々の憲法を我々で守る」というナショナリズムですよ。

北田暁大: 国家単位での物事を気にするのは、広い意味で「ナショナリスト」。そう自覚したうえでレイシズム(人種などの差別)にはまってはならない。憲法9条も、よほどナショナルな信念がないと守れない。国際法との整合性や交戦権の解釈など、国際社会で通らない理屈に基づきますから。日本は、偶然と米国の戦略に守られて戦争をせず、矛盾を沖縄に押しつけてきた。単一民族国家神話を批判しつつ「9条を守れ」と言う両義性をしっかり意識しないと。


リベラルがあまりにバカすぎると、萱野のようにだんだん自分が右傾化していくことに気がつく。世界レベルでの安全保障が現にあるわけで、それは集団的自衛なのは言うまでもない。個別的自衛が前近代的で極めて危険なのに比べて、集団的自衛は加盟国で負担を分担できることだけでなく加盟国間で監視できる、という決定的な利点がある。この利点こそが安全保障なのだから。こういうこともわかってない人が多い。日本は北田が言うとおり、偶然今までアメリカに守られてきただけで、これからもこの偶然が続くと思うわけにはいかないわけで。日米安保がなくなった後のことを考えないといけない。個別的自衛だけは絶対に避けないといけないわけで。消去法で集団的自衛しか残らない。つまりNATOへの加盟だ。
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