阿弥陀堂だより
南木佳士の小説を初めて読んだ。
「阿弥陀堂だより」は売れない小説家の夫と、有能な女医の妻、その妻がパニック障害になり、夫の故郷、信州へと赴く、心に染み入る小説だ。阿弥陀堂の堂守の96歳の老婆の生活と言説を軸に話は進む。作者自身、医者が本業で、小説では自身を夫婦に分裂させている。

どうも母のこと以来、涙腺がゆるくなってしまったのか、何度も涙ぐみながら読み進める羽目となった。とにかく書かれている内容が安心できるのが何よりいい。

映画があるらしいので調べると、寺尾聰と樋口可南子の主演だった。どうも僕のイメージとはかけ離れていて、見る気がしない。僕の中では小説だけで完結しているので、別に誰にやってほしいと言うのはないが、あえてあげるなら、香川照之と薬師丸ひろ子だろうか。

南木佳士の小説はまだまだあるらしいので、これからじっくり読んでいこうと思う。
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コメント
この記事へのコメント
 『阿弥陀堂だより』をお読みになられたとか。私は、南木氏が『ダイヤモンド・ダスト』で芥川賞を受賞して以来のファンで、およそ彼の書いたものなら、小説でも随筆でも、その総てを読み、再読し、再々読し、かつ、彼の著書の総てを書棚のいちばん目立つ所に飾って置くくらいの入れ込みようですから、この記事は特に興味深く読ませていただきました。
 「南木佳士の小説はまだまだあるらしいので、これからじっくり読んでいこうと思う」とのことですが、そうです。まだまだあります。そして、彼の小説こそ、じっくりと、そして何度も何度も読むにふさわしい小説(随筆も)だと、私は思います。 お読みになられたら、またご感想をお書き下さい。映画は、大いに期待して観ましたが、原作とは余りにもかけ離れているので、がっかりしました。薬師丸ひろ子はともかく、香川照之主演とは、なかなかいい線を行っていると私は思います。失礼
2008/11/27(木) 17:26:45 | URL | UKICHI #-[ 編集]
 南木佳士は自身の小説の全てを「文学界」に発表しているため、彼の作品集は文芸春秋社から単行本として刊行され、それから数年を経ずして文春文庫として刊行されているようです。現在、彼の最新刊の作品集は、『草すべり・その他の短編』ですが、これも早晩、文庫化されることでしょう。彼の作風は大変地味なので、ベストセラーになったりすることは決してないと思われますが、ありがたい事に、彼の作品は図書館の司書さんの間で人気が高いと思われ(或いは、図書館利用者の間で人気が高いのか?)、どこの公立図書館にでもたいてい前冊揃えられているようです。それともうひとつ、彼の作品集は文庫本・単行本を問わず、ブックオフの105円棚に曝されていることが多く、一見真新しい新刊同様のハードカバーを私は再三わずか105円で手に入れ(そういう意味で、私は彼の上質な読者とは言いかねます)、自分用にしたり、知人の誰彼へのプレゼント用にしたりしています。

ブックオフの105棚に曝されて綺羅も褪せたり『ダイヤモンドダスト』

 上記は、私の旧作の短歌です。

2008/11/28(金) 00:19:52 | URL | UKICHI #-[ 編集]
UKICHIさん、はじめまして。
熱いコメントをありがとうございます。
一つ読んだだけですが、南木氏の小説は人間性が豊かで何か悟りきっているところがあって、ホッとするのです。特に母をなくしたばかりのときに読みまして、終始涙ぐみなが読みました。また『ダイヤモンドダスト』などもぜひ読んでみようと思います。

ぼくもブックオフで105円の文庫を買いました。
短歌もされるのですね。僕も今ずっと短歌やってます。なかなか難しいですが。
2008/11/28(金) 21:38:36 | URL | hosomi #4DppGirI[ 編集]
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