普通の反応
従業員100人ぐらいだろうか、その食品工場に長く業者として出入りしているが、そこの主(ぬし)のようなおばちゃんがいて、とっても話好きで、誰彼となく話しまくる。もう定年はとっくにすぎたと思えるし、その仕事はダンボールを整理したり、倉庫を整理して通りやすく探しやすくしたり、とほとんどが雑用で、休んだ従業員の代わりに製造工程に入ったりもする。見ていると、手を動かすより、口を動かしているほうが絶対多い。従業員のほとんど、いや全員に声をかけているような感じだ。常に話しながら仕事もしている。この工場の潤滑油のような存在なのだろうか。きっとこういう工場などの職場はこんな人こそ必要なのかもしれない。だから会社も雇い続けているに違いない。それはもちろん製造現場に長く勤めていたので、どんな仕事でも臨時にこなせるという便利さはあってのことだろうけど。しかし実際このおばちゃんが辞めたらこの職場は火が消えたようになるかもしれないのだ。

そんなおばちゃんだから、月に数回しか顔を出さないぼくにももちろん話しかける。以下、今日の会話。


おばちゃん「今頃になって、あの餃子事件、犯人がわかったんやて。そんなん最初からわかってたはずやのになぁ。」

ぼく「そうですわ、犯人は早うから周りに自分がやったて言うてたらしいですよ。」

おばちゃん「ほんま、かなんなあの国は。自分の都合のええように、警察までも動かしよるし。ほんま迷惑やで近所にあんな国あったら。」

ぼく「で、ですよね。確かに時々、ひどいですよね。」

おばちゃん「でも、まぁ日本も昔、あっちにひどいことやったよってに、これぐらい仕方ないんやろけど。」

ぼく「そ、そうですわ、ええ、たしかに。」


おっと普通の反応だ。こういった日本の近隣諸国との諸問題で、久しぶりに、ほんと何十年ぶりかに聞いた、普通の反応だった。しかしそのあと、おばちゃんは通りかかった、若い男性従業員とジョークを言い合ってご満悦だった。この話の続きはまた次回か、もう無いかもしれないが。

とにかく最近、ぼくの周りでは、こういった近隣諸国諸問題で、右か左かの両極端の意見しか聞かない。右翼か反日か、である。中国や朝鮮を罵るか、日本を罵るか、である。

ごく普通に日本人としての誇りを持ち、穏やかにごく自然にこういった意見を言う、ということ。なにか奇蹟のような気すらした。おかげで今日は一日なにか得したような気分で、うれしかった。

やっぱりこのおばちゃんはぎすぎすした場の潤滑油なのだ、きっと。
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