アンドロゲン不応症の女性ジャズ歌手
完全型アンドロゲン不応症というのは、性染色体がXY型で男性型なのだが、見た目は完全に女性となる。XY型のため子宮と卵巣はなく、かわりに精巣(つまり睾丸)が体内に停留していてそこからアンドロゲン(男性ホルモン)が正常に分泌されるのだが、細胞が全く受け付けず、アンドロゲンはすべて女性ホルモンに変化し受容される。そのため、普通の女性よりも女性的な外見になるらしい。たとえば脇毛や陰毛がなく体臭もない。普通の女性は男性ホルモンも受け入れているからで、それで体毛があるらしいのだ。

このように内性器は男性型だが、外性器は女性型に近い。シモの話になるが、陰核があり、膣はあるが不完全なことがありその場合は膣形成手術を行うこともあるという。いわゆるIS(インターセクシュアル)の典型的な状況だ。

となかなか複雑なのだけど、この疾患が発覚するのは、思春期に多い。生れた時は外性器のみ見るので当然女児として認知される。性自認も女性で本人も周囲も疑わずに少女として育つが、内性器が男性型のため、当然生理はなく、病院を訪れてこの疾患だと発覚することが多い。女だと思ってたのが、あなたの性染色体は男性型です、と告知された時の精神的ショックは計り知れない。そのため医者や親は慎重になる。しかし思春期に告知しないと成人してからもっと大変なことになることもあるというから、告知しないわけにはいかない。関係者にとっては大変難しい疾患だ。
完全型アンドロゲン不応症に悩み命を絶った医学生

アメリカの女性ジャズ歌手、イーデン・アトウッドは自らこの疾患であると公表している。
アンドロゲン不応症-染色体は男性の女性シンガー

多くのこの疾患の女性同様、生理が来なかったので、思春期に発覚した。その時医者は「卵巣が曲がっていて、手術をしないと癌になるかもしれない。ただ、手術をすると一生子供を産めなくなる」と本人に言った。なかなか考えるものだ。これだと本人は一生知らずに済むかもしれない。しかし後年になって親から知らされ、大変なショックに見舞われる。その部分を以下そのまま抜粋する。(イーデンがエデンになっているが)

エデンさんはモデルや女優を経ていまはジャズ歌手として活躍している。自分が男性の染色体を持っていると知った後、彼女のプライドはずたずたになり、自分が正真正銘の女性であると証明するため、たくさんの男性と関係を持ったこともあるという。結婚した夫には真実を打ち明け、2人は養子をとって一緒に育てた。その後2人は離婚するが、今でもよき友人として、家に行って料理を作ったりして3人で過ごしている。AISの女性は子供を生むことができないが、ホルモン治療によって授乳は可能になる。事実、エデンさんは養子を自分の母乳で育てた。



まさに女の意地だ。人間の根底にある性のアイデンティティとは時折壮絶なものになる。私は女だ―、と叫んでいる。しかしアッパレである。アメリカ人は根っこから陽気なのかもしれない。日本人だとなかなかこうは行かないだろう。

写真を見れば典型的な白人の美女だが、身長は180㎝と高いのはやはり染色体のせいだろうか、それはわからないが、なにしろ白人女性がそれぐらいの身長であることは別に普通だろうから。

以下にyoutubeからのライブ映像。一昨年の東京ライブ。ジャスト40歳。まさに女盛りだ。
I'll Cose My Eyes- Eden Atwood


おまけはこれはホームビデオかな。友人たちと歌っているのだろう。陽気で大変色っぽい。女性以外の何者でもない。
Truth in Progres with jazz musician Eden Atwood and composer Claude Pineault
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2011/11/14(月) 18:33:26 | | #[ 編集]
返信が大変遅れました
ココペリさん、返信が大変遅れてしまい、ごめんなさい。いつのまにか、コメントが管理されていて、自分で何とかしないと表示すらされないということに、今気付きました。でもちゃんと表示されるんだろうか。心配ですが。やってみます。

ぼく個人は、知り合いにFtMの人が一人いて、彼をきっかけにこのセクシャルマイノリティの世界をいろいろと知るようになりました。去年、ISのドラマを見て、また知らないことがある、とびっくりしてしまい、いろいろと調べました。いろいろあるんですね。なぜ知らなかったんだろう、と不思議なくらいでした。

いろんなことを調べているうちに思ったことは、男と女は基本一緒なんだ、ということ。目からウロコがはがれたような気分でした。別だと思うから別に考えてしまうわけで。男と女の間にISがあって、ISを通じて男と女がつながってしまったのです、僕の中では。感動しましたね。思いもしなかったことだし。この概念はとても大切だと思っています。

僕はしょせん当事者ではないので、当事者の方の気持ちを結局はわかるはずはないのですが、できる限り理解したいと思っています。これからはメディアを通じて、様々なマイノリティがオープンになって受け入れられていくことでしょうし。

あなたのブログを読みました。読んだかぎりにおいては大変明るい方に思えて、少し安心しました。楽しい高校生活を送っておいでのようです。ただ、女子と話が合わない、という悩みがあるようですが。僕もだいたい同年代の男子と話が合わなかったです。いろいろと調べてみてMtXに近いのかも、と勝手に思っています。

ぼくも同じ大阪に住んでいます。ひょっとしたらどこかでお会いするかもしれませんね。ココペリさんの生き方を応援してます。あなたにしかない個性を発揮していってください。


> はじめまして。
> 私はイーデンさんと同じ疾患の高校生です。
>
> ISをネットで調べているうちに、こちらのサイトにたどり着きました。
> 正直生き辛い病気ですし、差別的な目や偏見も根強く
> 細見さんのように大きく開いた考えをしてくださる方の
> 存在を知ることが何より嬉しいです。
>
> 私は母が理解のある人で、隠されることなく
> 自分の病気を知ることができました。
> そのうえ大阪の大きな都市で生まれることもでき
> 性に対し視野の狭い田舎で育たずにすみました。
> 本当に恵まれていると思います。
> パソコン一つで、世の中にはISを解って下さる方が
> 居るんだと嬉しくなれますしね(^^*)
>
> あんまり嬉しかったのでコメントしてしまいました。
> ありがとうございます。
>
> 失礼します。
2012/01/20(金) 20:05:44 | URL | 細見晴一 #-[ 編集]
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