蜜にたかる蟻
 耐震偽装とジェイコム株誤発注、この二つの事件、もう日にちがかなり経ったが、少し書き留めておきたいことがあるので。

 最初なんだかわけのわからない事件ばかり起こるな、という思いだったが、ジェイコム株の事件のとき、なるほど、と思った。
 最初ネット上に誤発注の情報が流れ、それに気づいたデイトレイダーたちが次々と買いに走った。みずほ証券側が発注取り消しをあきらめて買いに転じるまでのわずかの間隙に、あっという間、何万株もの空売りが成立したのだ。まるで蜜にたかる蟻である。漏れている蜜に気づいた蟻たちがあっという間にたかってくるのと全く同じだ。

 耐震偽装事件、最初、きっと総研と木村建設が建設コストを安くあげる方法はないかとあちこち当たっていて、姉歯を使って民間の検査機関などを通せば劇的にコストを下げれることに気がついたのだ。あるいは検査機関もグルだったのかもしれない。つまり彼らは蜜につながる穴を発見したのだ。あるいはその穴を無理矢理こじ開けたのかもしれない。その穴を通ればいくらでも蜜が手に入るとわかって、いくらでもいけるぞ、どんどんいけいけ、と同じ手口を、つまり姉歯を使って同じ検査機関を通す、ということを何十回も繰り返してしまったわけだ。木村建設はホテルだけでなく独自に、同じく建設コストを下げることに血眼になっていたヒューザーと組み、マンション建設に同じことをそれこそ100回近く繰り返した。その穴がいつまでたっても塞がれないからだ。塞がれた時点で、計画的に倒産しようと木村建設などはそこまで計画していたのではないか。

 彼ら当事者の罪は深い。徹底的に弾劾する必要はもちろんあるだろうが、その穴を塞がなかった者の罪はもっと深いのではないだろうか。それは国である。国交省である。何故そんな民間の検査機関を野放しにしていたのか、そこを徹底究明しなければならないだろう。そうしなければまた別のジャンルで同じようなことが起こることは必定だ。なにしろ古今東西未来永劫、人とは蜜にたかる蟻に他ならないからだ。社会を管理する側はこのことを常に肝に銘じなければならないだろう。

って、社会を管理する側にも、もちろん蟻さんはうようよいるんだけどね。
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2005/12/21(水) 01:03:37 | 斜45°
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2005/12/21(水) 19:25:55 | やぶにらみトーク