最果タヒ詩集『死んでしまう系のぼくらに』
詩人がこの世で最も正直ないきものかもしれない。歌人はある程度取り繕ってものを言う。あるいは取り繕うのが嫌いなら、取り繕う必要のない日常の些事ばかりを歌にする。些事にこそ、そのティテールにこそ真理が宿ると信じて。

ぼくらの星のてんさいたちは、全員生まれてくるのをやめて空の上で料理を作っている。生きる前からしんでいるかれらはそのうち分解されて酸素になるんだろう。70億人ふえたって、だれとも肩すらふれあわないから、大勢が死んだニュースに涙すらこぼれない。
「きえて」


今の僕らは大惨事の洪水の中で暮らしてて、大惨事に飽きてしまったのだ、きっと。そりゃあ、世界70億人もいれば大惨事が日常的に起こっても不思議はない。明日は我が身だとしても。
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