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BSE問題の補足
しばらくオリンピックモードかな、と思っていたら、いまいち盛り上がらないので、また通常モードに戻ってきた。

牛肉問題の整理も含めて補足的なことをいくつか。

◎クロイツフェルト・ヤコブ病について
脳に異常プリオン蛋白が蓄積して脳がスポンジ状になる病気をプリオン病と総称するが、そのうち人間が罹る病気のこと。進行性痴呆、運動失調等を呈し、発症から1年~2年で全身衰弱・呼吸不全・肺炎などで死亡する。孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の2種類がある。
まず孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病はその名の通り原因不明で突如発症する。他からの感染ではなく、発症年齢は平均63歳で男女差なし。世界中に広く分布しており、日本では人口100万人に年間1人前後の率で発症する。つまりめったに罹らない病気だが、日本で実際年間100人~120人必ず発症し、1年以内に必ず死亡している致死率100%の病気だ。誤解のないように何度も言うが、牛のBSEとは何の関係もなく昔からある病気である。

これに対して変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、牛のBSE(牛海綿状脳症)から感染したものを言う。発症数は完全には調べられなかったがおそらく全世界で200人ぐらいだろう。牛の飼料が改善されているのでおそらく収束に向かうはずだ。ちなみにアメリカではイギリス滞在者を除くと発症した人はいない。この変異型の症状は孤発性と同じだが、進行が幾分緩慢で発症から平均18ヶ月で死亡する。あと若年で発症し、生前でも脳波検査で孤発性との差異がはっきり認められるが、死後、解剖によって、脳が海綿状(スポンジ状)になった病理所見を確認して孤発性か変異型かの確定診断が行われる。つまり孤発性か変異型かは、はっきり判るわけである。

◎共食いによる蔓延
プリオン病には人、牛の他に、羊のスクレイピー、伝染性ミンク脳症、鹿の慢性消耗病(CWD)などがある。BSEはスクレイピーに罹った羊の肉を牛に食べさせたことから起こったのではないか、という説があるが定かではない。

あと人には、パプアニューギニアの高地に住むフォレ族にクールー病というクロイツフェルト・ヤコブ病と全く変わらない症状の病気がある。とくに女性と子供に多く、フォレ族には人食いの風習がある。この種族は成人男性だけが動物を食べていたため、女性や子供はタンパク質不足に陥っていた。これを解消するため、死んだ親族を埋めずに食べる儀式が彼らの間に広まっていた、ということだ。原因は完全には究明できていないが、おそらくたまたま発生した孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病患者の脳などを食べることにより、感染して広まったのではないかと容易に想像がつく。世界で人食いの風習があるのはおそらくここだけではないはずで、フォレ族にはたまたま孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病患者がいて、他の部族にはそれがいなかったから、そのような病気が広まらなかったのではないだろうか。
BSEも明らかに共食いが原因である。これは牛のほうが人間の効率主義から無理矢理させられているだけだが。
鹿の場合は原因を今究明中とのことだが、鹿狩猟産業が盛んなアメリカがほとんどということだ。アメリカでは鹿農場がたくさんあり、やはり効率的に鹿を成育させているだろうから、BSEと同根だと考えられる。一方、イギリスにもアメリカと同じく鹿狩猟産業が盛んで、鹿農場がたくさんあるのだが、慢性消耗病(CWD)の発症がゼロとのことだ。これは興味深いデータである。BSEがイギリスで話題になる前なら、イギリスの鹿農場ではBSEに罹った牛の骨粉を鹿のための飼料に混ぜていた可能性が高い。それは鹿の数より牛の数のほうが圧倒的に多いため牛骨粉はかなり余り、安価だと思えるからだ。なのに発症がゼロで、アメリカではかなり深刻な社会問題になるほど蔓延しているのである。アメリカでもイギリスでもおそらく鹿農場では同じような飼料を与えていて、牛骨粉のほかにも、食肉に供されなかった鹿の脳などのいわゆる危険部位を鹿の飼料に混ぜていたに違いない。つまり鹿の共食いだ。なのにアメリカだけに発生した。想像するにおそらくこれもクールー病と同じで、アメリカの鹿にはたまたま孤発性の慢性消耗病(CWD)の鹿が発生していて、イギリスの鹿にはたまたまそれが発生していなかったのではないか。そしてイギリスで発生しなかったということは、牛と鹿との種の壁は相当に高いことが想像される。

つまり共食いがあるから発症するわけではなく、最初は孤発性がたまたま発生して、それの共食いで蔓延していくのではないだろうか。だから牛のBSEの場合もたまたまイギリスの牛に孤発性が発症して無理矢理共食いをさせることにより蔓延していって、他国の牛にはたまたま孤発性が発生しなかっただけではないだろうか。
(他国、特にフランスなどのイギリス周辺国にBSEの発症例が多数報告があるが、これらはすべてイギリスからの輸入飼料によるとみなされている。)

おそらく孤発性のプリオン病というのは人間も含めて結構起こる病気なのではないだろうか。そしてそこで共食いが起こると蔓延しやすい。しかしこの種の病気は種の壁は結構高い。でも越えることはある。伝染性ミンク脳症は羊のスクレイピーから感染したという研究報告があるし、イギリスのBSEも同じく羊のスクレイピーから感染した可能性は確かに高い。そしてもちろん変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は牛から種の壁を越えて人間にやってきた病気だ。しかし羊から人へは絶対に感染しないということがはっきり実証されている。これは18世紀にヨーロッパで羊のスクレイピーが大流行したときに人間には全く影響がなかったからだ。
種の壁は越えることもあれば越えないこともある。たとえ越えても共食いによって感染することに比べれば、かなり発症確率は低いことがどのデータからもわかる。

前エントリーで日本人が神経質すぎると非難したが、考えようによっては「共食いという禁忌」に対する無意識の霊感のようなものが働いているのかもしれない。確かに共食いによるプリオン病の蔓延ほど、この世におぞましいものはないだろう。これはひょっとしたら共食いをさせないために、自然が予めプログラミングした病気なのだろうか。
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