北の湖
僕が中学2年の時、その年の大阪場所前、相撲キチガイの友人と一緒に銭湯に入って並んで体を洗っていたら、友人が興奮して僕の右側から囁くのだ。
「きっ、きっ、北の湖や!」
僕の左側に座っているのが、当時最年少か何かで幕の内に入ったばかりの北の湖関だったのだ。真っ白な巨体だったように覚えている。僕はその価値がわからなかったので、ふ~ん、とか言ってただけだと思う。確かその大阪場所、13勝ぐらいしたように記憶している。友人の炯眼に場所が終わってから畏怖したものだ。

三保ヶ関部屋の宿舎がすぐ近くだったので、稽古帰りの北の湖とよくすれ違った。いつも上半身裸でふうふういいながら巨体を揺らして帰ってくるのだ。稽古熱心だな、とよく思っていた。あの大横綱が付き人もつけずにいつも一人だった。

僕の母は買い物の行く途中でよくすれ違うことがあって、帰ってくるなり、「また北の湖とおうたで」と飽き飽きしたとでも言わんばかりに言ってた。たぶん100回は会ってるだろう。

そんなこんなで馴染みだったので応援してた。母も応援してた。強すぎて嫌われていたので、僕も母も逆に判官贔屓っぽいのりで応援したものだ。

早すぎましたね、62歳とは。ご冥福をお祈りします。
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