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崔実(チェシル)「ジニのパズル」
在日コリアンの少女ジニの物語。
北朝鮮の金父子の肖像がある朝鮮学校に違和感を感じつつ、日本人からは差別されるという複雑なパズルをどう解くか、その答えを探しつつ、そこからハワイの学校、オレゴン州の学校へと彷徨う。日本語と朝鮮語と英語の三つの言語と文化のはざまで答えを見つけようとする、非常に熱のある物語だ。その熱が空回りせず、しっかりと言葉に置き換えられ、希有な物語へと昇華した。

特に核となるのは中学一年の時の、テポドンが打ち上げられた日の池袋のゲームセンターで受けたヘイトクライム。圧巻だった。手に汗握って読んだ。傷害事件であり、はっきり強制猥褻と言っていいと思う。それをたった中学一年の少女が差別的な言説と共に受けるのだから。こんな卑劣なレイシストがこの世にいるんだ、という絶望感だけが立ち上がってくる。

どうせ国境なんかだれかの落書きだろう。

ジニはこう吐き捨てるように言う。これは名言。

これ以上ネタバレは書かないが、もうちょっとで芥川賞だったらしい。どうせなら受賞すればよかったのだが。そうなれば多くの日本人がこの小説を読むことになっただろうし、今でもぜひ読んでもらいたいと思う。

地べたをしっかりと這いずりまわった、地に足のついたリアルな、そして、民族問題にとどまらない普遍的な文学性をもつ、これは青春文学なのだろう。ぜひ映像化してほしい。
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