議論の際のマナー
よみうりTVの「たかじんのそこまで言って委員会」が面白いのでよく見る。昨日も見た。久しぶりにフルメンバーだったのでこれは血を見るかな、と思ったらやっぱり見てしまった。

テーマは「教育上の体罰には賛成ですか?反対ですか?」で、議論は真っ二つに割れた。賛成派が多かったが、徹底した非暴力主義の田嶋陽子さんはもちろん一切の体罰は反対だった。親の暴力があるから子供も暴力的になるのでしょう、暴力の連鎖は断ち切らなければいけません、と。それに対して橋下徹弁護士等は、言ってわかる子供とわからない子供がいる以上、何を言ってもわからない子供には体罰しかないでしょう、痛い目をさせてわからせるしかないでしょう、親としては、とのたまう。テーマは一応学校での体罰のはずで、それが家庭での体罰にいつの間にか移ってしまったとは言え、これで充分議論になっている。ところが橋下弁護士が田嶋教授に食ってかかってしまった。

「ちょっとは子供を産んで育てた人の言うことも尊重してくださいよ、あなたは子供を育てたことがないのだからわからないことがあるでしょう。」

なるほど確かにそうだ。僕もうすうす思っていた。
それに対して田嶋教授は

「子供を育てたことがない者は、何も言う権利がないわけ?セクハラじゃないの?子供を育てたことがないからこそ客観的に見れることもあるでしょう?」

う~ん、なんだかヤバイ。立ち入ってはいけないところへ行こうとしている。

橋下弁護士「いやだからちょっとは経験者の言うことを尊重してください、と言っているだけですよ。」
と譲らない。すると他からいらぬ横槍が入る。

「結婚したこともない人に結婚のことはわからないでしょう。」

これは言わなくてもいいだろう。これも視聴率稼ぎのためだろうか。言うまでもなく田嶋教授は「ギャー、セクハラ!セクハラ!」と紛糾してしまった。そこへホワイトナイト原口一博議員が、

「相手ができないことをネタにして議論するのはマナー違反ですけど。」

と言っているのだが、橋下弁護士には聞こえないのか、「経験者の言うことを尊重してください」の一点張りだった。最後まで彼は折れなかった。結局紛糾したまま終わってしまった。紛糾するのがこの番組の最大の売りかもしれないのでこれでいいのだろうが、橋下弁護士にはあきれるより他にない。
確かに田嶋教授はいつも極端な物言いをする人で僕も辟易することが多い。僕ももちろん反戦派だが、この人の反戦論は典型的な能無し左翼の内容で、今は時代が違うだろう、といつも思っていた。だから橋下弁護士もうっぷんが溜まっていてぶちきれたのだろうが、行き過ぎである。今回この弁護士の言っていることははっきり筋が通っていたとは言え、品性がやはり問われるだろう。

そこで教訓。
まず原口議員の言うとおり、相手ができないことをネタにして議論することは、議論の際のマナー違反である。相手が女性であれ男性であれ、確かにそれはもう議論というより、単なるハラスメント以外の何物でもないだろう。このことが一番その人の品性に関わってくるのではないか。人には誰でもできることとできないことがあるのだから。

もう一つ教訓。
やはり最後はレディファーストだろう。これしかない。日本人の男は欧米人と違って、レディファーストという習慣がほとんど無い。ぼくも正直レディファーストがそんなにいいとは思わないし、何より逆に女性に対して失礼なのではないか、訝ったりする。田嶋教授もレディファーストと言われたら、男女同権、と言い返すに違いない。しかし、ここまでもつれたら、最後はレディファーストしかないだろう。ことはそれで一応収まるだろうし、何より相手が女性なのだから、ちょうどいいのである。レディファーストが女性に対して失礼なのは、最初から相手が女性ということで議論をしないことである。つまり何を言われても「もちろん貴女の言うとおりですよ」と聞く耳を持たないことである。だから議論の際レディファーストが使えるのは、こんなふうにもつれて収拾がつかなくなった場合のみだろう。だから橋下弁護士もこの場合「はいはいわかりました。田嶋先生の仰るとおりです。次行ってください。」と充分ふてくされて言ってかまわないのである。相手が女性なら、最後は引いても男は下がらないのだし。

でも結局視聴率稼ぎなんだろうな。田嶋教授も了解してやってんだろうね。
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コメント
この記事へのコメント
ご都合主義では? その弁護士。
今晩は、
古代バビロニヤの「ハンムラビ法典」には「目には目を」
体罰与えた親は「老後、嫁から体罰」を受けることを覚悟して言っているのかな?
「こんな年寄りを・・」と故・安部帝京大副学長のように言うのかな?
魯迅に、「・・その時その時で、各種各派の理論をもってきて武器とするような者は、みなやくざ者・・。たとえば、上海のやくざ者が、田舎ものが男と女で道を歩いているのをみて、「おい、お前たちのそのざまは、風紀を乱す、お前たちは法を犯した!」というのは、中国の法規を利用・・。また、田舎ものが道ばたで立小便しているのをみたら、「・・お前は法を犯した、交番へひっぱって行く!」と・・この場合・・外国の法規を利用・・。だが結局は 法もへったくれもない、相手から金をふんだくるのがねらい・・。」

これが世の風潮で、番組的には成立するんでしょうが・・。つまり「アナーキーの奨め」ですね。
政治家もこの手の番組には出ない方がいいんじゃないかな、他にやることいっぱいあるんだから・・。

2006/05/11(木) 00:33:06 | URL | ivanat #-[ 編集]
やくざものの定義
ivanatさん、いつもコメントありがとうございます。(名前変えましたね)

仰るとおり、魯迅はやくざものの定義をしてるんですね。かなり普遍性を感じました。たとえお金に関係なくても、その場その場で自分に都合のよい法規を出してくるのを「やくざもの」と呼んでちょうどよいのでしょう。
確かに、あの弁護士も少しそんなところがあるかもしれませんね。
2006/05/11(木) 20:55:52 | URL | hosomi #4DppGirI[ 編集]
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