拉致問題と核問題
6カ国協議再開に向け、以下のような記事があった。(参照)

北朝鮮の朝鮮中央通信によると、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は11日、6カ国協議再開に関連し「米国と実務的接触が進んでおり、深い論議が行われている」とする一方で、「日本は協議に参加する資格さえない」と主張する論評を掲載した。

 論評は「6カ国協議は核問題を扱う場所であり、何の関係もない拉致問題を論じる場所ではない」と主張。安倍晋三首相が北朝鮮を核保有国とは認めないと発言していることや、拉致問題を取り上げる姿勢を示していることを指摘し、「日本は協議再開の動きにも冷や水を浴びせている」と非難した。

 北朝鮮は10月末に協議再開に合意して以降、外務省報道官が日本の協議参加は必要ないと表明するなど、「日本外し」の主張を繰り返し、日本の参加をけん制している。


日本に参加資格がない、という言い方は、「おまえらと話すことなんてはなっから何もないんだよ」という日本を理不尽に忌避していることを証明するようなもので、全く国際的に許される言い方ではなく、こんな言い方は北朝鮮側こそ国際舞台に立つ資格がない国であることを誰が見てもわかる形で露呈させている。それに北朝鮮のような独裁国家に核保有を絶対に認めるわけにはいかないわけで、安倍晋三首相が北朝鮮を核保有国とは認めないと発言していることについては日本人だけでなく、世界中が支持するだろう。

だがである。「6カ国協議は核問題を扱う場所であり、何の関係もない拉致問題を論じる場所ではない」という北朝鮮側の主張は、裏切るようだが、これは北朝鮮側が正しいと言うしかない。今度の6カ国協議ははっきり核問題を扱う場所であることは、これも世界中が了解していることだ。そこに本来関係のない拉致問題を持ち出せば問題が複雑になるだけで、片付くことも片付かなくなる可能性がある。これはできれば避けるべきだろう。

北朝鮮は確かに日本を東アジアの悪党扱いして、自国を少しでも有利な状況に持っていこうとしているのはみえみえだ。だがしかし、日本も国民世論が北朝鮮との話し合いで拉致問題を持ち出さないことをこれまた許さないだろうこともみえみえである。

だが、拉致問題よりも核問題のほうが国際的に見てはるかに重要であることは言うまでもない。日本固有の問題である(もちろん他国もあるが声を大にしているのは日本だけである)拉致問題を核問題と並べることは、国際的に見れば日本の単なるわがままでしかないだろう。

また一方、今度の6カ国協議で核問題がもし解決すれば、とりあえず日本は憲法を改正することなく、この危機を乗り切ることが出来るだろう。しかし解決できなければ憲法改正の声が国民世論を支配することになる可能性は大である。これはうがった見方をすれば、6カ国協議を破談にして、無理矢理にでも憲法改正をしたいのか、ということにもなりかねない。そして拉致問題で一歩も引けをとらなかった、ということで内閣支持率が今度は上昇するかもしれないし、これは安倍政権にとって一石二鳥なのだろうか。まさかこちらの考えすぎだと思うのだが。
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コメント
この記事へのコメント
ちょっと違和感が
>>拉致問題を核問題と並べることは、国際的に見れば日本の単なるわがままでしかないだろう

これが欧米諸国で問題になってればもっと強い態度で臨んでくるのは当たり前で拉致問題を核問題と並べることがわがままなんて理屈は成り立たないと思うけど。人権のダブルスタンダードかな?これをナショナリズムのカテゴリーに入れてるところも何とも救いようがない、、
2009/02/04(水) 02:58:08 | URL | ポッポ #-[ 編集]
社会と個人
核問題は全人類が人質に取られているのです。それに対して拉致問題は一部の日本人だけが人質にとられているのです。グローバルに物事を考えるとき、まずこのことを念頭に置かなければならないでしょう。それからヒューマニズムの、つまり個々の人権について考えていくことができるのだと思います。

それに拉致問題は北朝鮮に対する憎しみを煽るだけで、東アジアの民族問題がギクシャクしてくるので、自ずとナショナリズムの問題になってしまいます。
2009/02/04(水) 21:09:03 | URL | hosomi #4DppGirI[ 編集]
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