数珠繋ぎの島国
またぞろ昨日の続きである。記事も数珠繋ぎである。どこかで切らねば。

昨日、この日本列島を数珠繋ぎの奇跡の島国、とか言ったが、これをもう少し説明したい。説明しないとどうも気が済まないのだ。あれではどこが奇跡なのか実感がわかないと思うので。

何でもいい、世界地図を見ていただきたい。地球儀でもかまわない。
そこで自分が未知の星からやってきたエイリアンだと思っていただきたい(ちょっと無理がありますが)。始めてみる地球はさぞ美しいはずだ。別に日本列島でなくとも美しいのだが、どっかりと太平洋があり、その西方にユーラシア大陸を従え、千島列島から日本列島を経て南西諸島までのおよそ何キロだろう5千キロほどだろうか、これほどの長蛇の列島は世界広しと言えどもここだけである。しかも亜寒帯から温帯そして亜熱帯と人も含めた生物が快適に過ごせる気候帯をすべて網羅する。これだけ気候帯を渡る島々もここだけである。この列島をできる限り既成概念を廃して見てほしい。今はじめて見るんだと。なんなら地図を逆にしたり横にしたりして見てみればいい。そしてここに人がだれも住んでいないと思ってください。どうです美しいでしょう、太平洋の波に洗われる数珠繋ぎの島々が。これが奇跡でなくしてなんでしょう。うっとりとするじゃないですか。だからこんな美しい列島をすべて一つの民族が支配するのは罪悪である、と僕は思うのだ。日本列島だけでよいではないか。だからといって南西諸島が中国だとは絶対に思わない。あそこはあそこに住んでいる人々のものである。琉球共和国でも作ればいいと前から思っていた。カムチャッカから千島列島ももちろんロシアだとは思わない。あそこはあそこに本来住んでいたアイヌ民族だろうか彼らの神の王国である。それぞれが温和な外交関係になり行き来はビザ一つで自由に。お互いの観光産業は盛り上がるだろう。世界中からこの美しい島国を訪れることだろう。なんだかうっとりである。がもちろん夢物語だ。

話は逸れるが、僕はこんなふうな夢物語をよく考える。たとえば中国だ。今でこそ94%の人口を持つ漢民族がすべて支配してしまっているが、二千年以上前は春秋戦国時代という多民族の国家連邦のようなものだった。それぞれの民族がそれぞれ国を建て漢民族と対等に覇権を争っていたのだ。それが今となっては中国の少数民族なんて言われ方を余儀なくされ、周辺で細々と暮らしているのみだ。かつて彼らはみな漢民族、朝鮮民族、日本民族と対等な文明、文化を持った誇り高き民族だったのである。だからたとえば秦の始皇帝が現れなかったら、今のヨーロッパのように様々な民族がそれぞれの個性を際立たせ、およそ20~30ぐらいの国々がこの東アジアにたぶん同じ漢字文化圏としてひしめき合っていたはずだ。さしずめヨーロッパでいえば、日本がイギリスで、朝鮮はフランスだろうか。漢民族の国はドイツである。皆それぞれ誇りを持ち犬猿の仲だとか言われながらも世界をリードしている大国であり教養豊かな国々だ。イギリスとフランスは確かに仲は悪いが、いいじゃないかサッカーで勝てばいいのだ。ああ、いいなー、ヨーロッパが羨ましい。ヨーロッパこそ奇跡だったんだ。なんだか涙が出てきた。

涙をふいて話を元に戻す。数珠繋ぎの美しい島国である。日本の国を誇りに思うのならまずここからだろう。神武天皇やら神功皇后やら昔の作り話を本当らしく吹き込むのではなく、あの戦争は間違ってなかった、とか教えるのではなく、まずこの奇跡の大自然からである。これを子々孫々守っていくんだとまず子供たちに教えないと。それにあの戦争は間違っていたのだと、清く認めることこそ誇り高き日本民族なのではないだろうか。それこそサムライであるはずだ。


陸(くが)を背にさけびたきかな、海境(うなさか)へゆけゆきつけよぼくの葦舟

角田純『海境』
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